リスクを管理する

リスクをとろうとしない人が多いように思います。
当然といえば当然でしょう。誰だって危険は避けたいに違いありません。
進んで危険に飛び込むのは愚か者のすることです。

しかし、あらゆるリスクを無条件に回避することも
同じく愚か者のすることです。

リスクにはチャンスが潜む

リスクとチャンスは表裏一体です。
この2つの言葉はどちらも可能性のことを指しており、
自分にとって良い可能性がチャンスで、悪い可能性がリスクです。

重要なのは結果が確定していないということです。
良い結果に転ぶこともあれば、悪い結果になることもあります。
つまり、多くの場合チャンスとリスクは同居しているのです。

あなたがリスクについて考えている場合、
ほぼ間違いなく、そこにはチャンスが潜んでいます。
人はただ危険なだけのことをしようとはしません。
危険を冒しても手に入れたい何かがあるはずです。

安全にも代償はある

可能なかぎりリスクを避けるべきという考え方は間違っていません。
しかし、リスクが伴うことをすべて回避した場合、あなたは得られるはずだったすべてのものを失うことになります。
嫌なこと、怖いことから目を背けてはいけないのです。

ただリスクをとればよいということではない

一方で、わずかなチャンスをものにしようと闇雲にリスクをとることは絶対にすべきではありません。それをしたとき、あなたは何も得られず、すべてを失うでしょう。
リスクを軽んじてはならないのです。

重要なのは天秤にかけること

リスクとチャンスの両方を冷静に分析する必要があります。

まず確認しなければならないのは、リスクとチャンス、どちらの方が可能性が高いのか。

それから、可能性が実を結んだとき、あなたがどれだけの利益を得るのか、あるいは、どれだけの損害を受けるのかを考えなければなりません。

2つ例をあげます。

例えば100万円の報酬で地雷の撤去作業を請け負うべきではありません。あなたの手足にはそれ以上の価値があるはずです。

例えば10年後に80%の確率で価値が10倍になるが、20%の確率で価値が半分に落ちる投資先があった場合、あなたは投資すべきです。
(ただし、20%の確率で投資に失敗することは覚悟しなければいけません。決して全財産をつぎこんではいけません)

このようにあなたが運命のサイコロを投げてよいのは、チャンスとリスクを天秤にかけ、チャンスの方に天秤が傾いた場合のみです。

実際には2つめの例のように、明確に確率がでていることは稀です。そのような場合には、自分自身で確率を計算しなければなりません。とても面倒ですが、必ず計算してください。

リスクはコントロールできる

もうひとつ忘れてはならないのはリスクは自らの手でコントロール可能だということです。

より正確にいえば、あるリスクが実現する確率や、実現した場合に被る損害の程度をあらかじめコントロールすることができるということです。

先の例にある投資の話で言えば、もしあなたが全財産を投資したとしたら、最悪の場合、あなたは財産の20%を失うことになります。
あなたが受容できる最大限のリスクが全財産の10%を失うことである場合、投資額を全財産の半分にすることでリスクを受容することができます。その代わりに、うまくいった場合の利益も半分になってしまいますが、基本的にリスクを優先的に考えた方がよいです。

他にも自動車を購入した際に、事故に備えて自動車保険に加入するなど、さまざまな方法でリスクをコントロールすることができます。

リスクをとる際には、そのリスクをなんらかの方法で低減できないかを考えるようにしてください。(ただし、過剰にリスクを避けすぎないように注意してください)

チャンスにはリスクが潜む

最後に、チャンスもリスクも常に目に見えるわけではないことを忘れないでください。

特に大きなチャンスが見えているとき、人はリスクに目を向けなくなります。

先に出した例で出したような投資先の話をされたとき、
前提が正しいのかを疑ってください。話をもちかけているのは詐欺師かもしれません。世の中にはそうしたリスクも潜んでいます。

チャンスがあるとき、必ずリスクを探すようにしてください。

そのうえで勝負すべきときにリスクをとれるようになっていただけたらと思います。