生きていくうえで、食費や家賃、光熱費や通信費は必ずかかるコストです。全くなくしてしまうことはできず、節約にも限界があります。こうしたときに注目したいのがPayPayや楽天ペイなどのポイントバックです。この記事では、ポイントバックを利用した際の1カ月のシミュレーションや、還元されたポイントをさらにお得に活用する方法について解説していきます。
PayPayポイント、楽天ポイントとは
PayPayポイントとは、PayPayで支払いを行ったときに付与されるポイントのことで、1ポイント1円としてPayPayでの支払いに充てることができます。出金することや他人に送ること、わりかん機能で使うことはできません。楽天ポイントは楽天ペイで支払いを行ったときに付与されるポイントのことで、1ポイント1円として楽天ペイでの支払いに充てることができます。楽天の公式キャラクター「お買い物パンダ」のグッズと交換できる特典も。どちらのポイントも各サービスの「ポイント運用」で利用することが可能です。
PayPayと楽天ペイのポイント付与率
PayPayと楽天ペイ(楽天ポイント)を使って支払いを行うと、どれぐらいのポイントが付与されるのでしょうか。
PayPayポイントの付与率
PayPay加盟店で支払いを行う場合、ポイントの基本付与率は0.5%です。このほかに、条件を達成すると付与率がプラスされる「PayPayステップ」があり、「PayPayで300円以上の支払いを30回」と「PayPayで5万円支払い」の両方を達成すると、翌月はPayPayポイントの付与率が0.5%加算されます。これに加えて「対象サービスの利用」「Yahooプレミアム会員登録」「Yahoo!JAPAN IDとの連携」を達成すると、さらに0.5%分のポイントがプラスされ、ポイントは最大で1.5%付与されることになります。
PayPayモール、Yahoo!ショッピングでの支払いは付与率が異なり、PayPayモールでは最大5.5%、Yahoo!ショッピングでは最大3.5%のポイントバックが可能です。また、ポイントの付与率が上がるキャンペーンやクーポン、ポイントが加算されるお買い得商品の購入を利用すると、さらに多くのポイントを獲得することができます。
楽天ペイの付与率
楽天ペイのポイントの付与率は、チャージ方法や支払い方法によって異なります。付与されるポイントが最も多いのは楽天カードからチャージして支払うチャージ払いで、付与率は1.5%です。楽天銀行、ラクマなどからのチャージ払いや、楽天ポイントでの支払い、楽天銀行を支払元に紐づけた口座払い、楽天カードや楽天銀行デビットカードを支払元にしたカード払いでは1%分のポイントが付与されます。楽天ポイントカードの加盟店で楽天ペイを利用する場合は、楽天ポイントカードを提示することで最大1%分のポイントが加算されるので、忘れずに提示するようにしましょう。
楽天ポイントカード提示による付与率
楽天ポイントカードを提示して楽天ポイントを獲得する際のポイント付与率はお店によって異なります。例えば、賃貸住宅サービスでは初回来店で10ポイント(来店アンケート回答が必要)、契約で500ポイント(鍵引き渡し時)を付与。西部ガスでは指定プランの契約で200円につき1ポイントが付与されます。飲食やショッピング、各種サービスに至るまで幅広い店舗で使えるため、貯めやすいのが特徴です。期間限定でポイントが加算されるキャンペーンなども実施されることがあります。
1カ月の生活費でどれぐらいのポイントバックが可能?
PayPayと楽天ペイで生活費の支払いを行うと、どれぐらいのポイントが付与されるのでしょうか。食費3万円、光熱費1万円、通信費1万円、家賃6万円と仮定し、合計11万円をPayPayと楽天ペイで支払った場合についてシミュレーションを行いました。
PayPayで支払う場合
PayPayの基本付与率は0.5%なので、11万円全てをPayPayで支払った場合、付与されるポイントは550ポイントです。内訳は、食費150ポイント、光熱費と通信費各50ポイント、家賃300ポイントとなります。PayPayステップの条件を1つ満たしている場合は付与率が1%になるため、付与されるポイントは1100ポイントです。内訳は、食費300ポイント、光熱費と通信費各100ポイント、家賃600ポイントとなります。すべての条件を満たしている場合は付与率が1.5%になるため、付与されるポイントは1650ポイントです。内訳は、食費450ポイント、光熱費と通信費各150ポイント、家賃900ポイントとなります。
楽天ペイで支払う場合
楽天ペイではポイントが1.5%付与されるケース(楽天カードからチャージして支払うチャージ払い)と1%付与されるケース(その他の支払い)があります。11万円全てを楽天ペイで支払った場合、1.5%付与されるケースでは1650ポイントが付与されます。内訳は、食費450ポイント、光熱費と通信費各150ポイント、家賃900ポイントです。1%付与されるケースでは1100ポイントを獲得することが可能です。内訳は、食費300ポイント、光熱費と通信費各100ポイント、家賃600ポイントとなります。
楽天ポイント加盟店でポイントカードを提示して楽天ペイで支払う場合
楽天ポイント加盟店で楽天ペイを使う際は、楽天ポイントカードを提示することで最大1%分のポイントが加算されます。仮に11万円全てをこの方法で支払ったと仮定すると、楽天カードからチャージして支払うチャージ払いでは付与率が2.5%となり、付与されるポイントは2750円分です。内訳は、食費750ポイント、光熱費と通信費各250ポイント、家賃1500ポイントとなります。その他のケースでは付与率が2%となるため、2200円が付与されることになります。内訳は、食費600ポイント、光熱費と通信費各200ポイント、家賃1200ポイントです。
楽天グループのサービス利用で加算
楽天グループの「楽天でんき」「楽天ガス」「楽天モバイル」を使うことで、楽天ポイントの付与をさらに増やすことが可能です。楽天でんきのみを利用する場合200円につき1ポイント(付与率0.5%)、電気とガスの両方を利用する場合はそれぞれ100円につき1ポイント(付与率1%)が付与されます。楽天モバイルは、支払い料金100円につき1ポイント(付与率1%)の付与です。
固定費を支払う企業がすべてのQRコード決済に対応していないケースや、楽天ポイント加盟店でないケースも考えられます。「PayPay支払いをメインにし、楽天ポイント加盟店では楽天ペイを使う」「楽天ペイをメインにし、付与率の高いPayPayクーポンが使える店ではPayPayを使う」など、臨機応変に使い分けるとよいでしょう。
付与されたポイントを運用してみよう
PayPayと楽天ペイで1カ月11万円の生活費を支払った場合、1年間にポイントバックされる金額はどれぐらいなのでしょうか。PayPay支払いでは少なくとも1カ月に550ポイントが付与されるため、1年間では6600円分のポイントが付与されることになります。PayPayステップの条件を1つクリアしている場合と、楽天ペイで支払う場合(付与率1%)は1カ月につき1150ポイントが付与されるので、1年間のポイント付与数は1万3200円です。PayPayステップの条件をすべてクリアしている場合と楽天カードからチャージして支払うチャージ払い(付与率1.5%)は、1カ月に1650ポイントが付与されるので、1年間のポイント付与数は1万9800円となります。
「11万円に対して550円の付与」と聞くと、「少ない」と感じる人も多いでしょう。ポイントバックでは目を見張るような金額が付与されるわけではありませんが、1年間で考えるとまとまった金額になっていることが分かります。食費や固定費といったコストは必ずかかるものであり、支払い方法を変えるだけでポイントが付与されると考えると、とてもお得です。さらに、このポイントは各サービスの「ポイント運用」を使って簡単に運用することができます。
ポイント運用とは
ポイント運用とは疑似的な投資を体験できるサービスです。新たに証券会社の口座開設を行う必要はなく、手持ちのポイントで気軽に行うことができます。運用コースは実際の値動きに連動しています。ポイントを現金化し、実際の投資資金に充てる「ポイント投資」とは異なるため、注意が必要です。
PayPayポイントでポイント運用
PayPayポイント運用はPayPay証券株式会社が提供しているサービスです。1円分のPayPayポイントから運用することができ、運用中はいつでも出し入れ可能です。PayPayアプリのホーム画面から「ポイント運用」を選択し、指示に従って「テクノロジーコース」「スタンダードコース」「チャレンジコース」の3コースから選んで希望の運用額を入力します。
楽天ポイントでポイント運用
楽天ポイントは100ポイントから運用することが可能です。運用できるのは通常ポイントのみで、期間限定ポイントは除きます。楽天ペイアプリのホーム画面から「ポイント運用」を選択し、「アクティブコース」「バランスコース」のいずれかを選んで運用します。運用中に引き出したポイントは通常ポイントとして利用することが可能です。
コツコツ貯めて運用に回せば効果的な節約に
食費や固定費の支払いをPayPayや楽天ペイにすることで、ポイントバックを受けることができます。付与率は0.5~1.5%程度と大きい金額ではありませんが、長く続けることによって効果的に家計を節約することが可能です。また、付与されたポイントは「ポイント運用」サービスで運用することができます。新たな口座開設は必要なく、好きなときに引き出して使うことができるため、気軽に運用を始めたい人に適しています。